開湯 元和4年(1618年)
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岩手・宮城内陸地震による土石流により、旧施設に配湯していた全ての源泉は土砂に埋まってしまいました。しかし震災後しばらくして、これまで使用していなかったやや高台にある源泉から再びお湯が湧き出し始めたのです。この時の喜びといったら‥

ただし源泉の湯温はかつてと比べても低く、湧出部における実測でも約38度。引き湯の過程でも湯温が下がりますからはっきり申し上げて「ぬる湯」です。

もちろん湯小屋の再開に際しては加温も考えなかったわけではありません。しかし費用の面はもちろんですが、やはり湧き出たままの自然の恵みを手を加えずそのままお届けしたいという気持ちもあり、当面はこのまま「ぬる湯での一本勝負」に賭けることにしました(今後加温湯の供給を行う可能性もなしとはしませんが)。

また再開に向けては、全国各地からお越しいただいた温泉ファンの方々からさまざまなアドバイスをいただきました。全国にはぬる湯を売りにして営業している温泉宿も数多くあるそうです。

また「36-38度はいわゆる『不感温度』であり、長湯するには絶好の温度である」とのこと、またこれはよく言われていることですが「熱い湯に短時間入浴するよりもぬるい湯に長時間入浴する方が健康促進にははるかに好適」であることから「ぬる湯であることをあえて前面に出してアピールしてはどうか」とのアドバイスをいただきました。それらを踏まえつつここに申し上げます。



もちろん、源泉温度が今以上に上昇すればこの「ぬる湯アピール」も不要にはなるわけですが‥

なお施設再開に際して、新たに温泉分析を行いました。浴槽に投入しているのは4号と5号の混合泉ですが、以下にその詳細を転載します。


【駒の湯4号泉分析書】
源泉名 駒の湯4号泉
湧出量 71.6L/分(自然湧出)
泉温 35.9度(現在はもう少し高いはずです) 
湯使い 完全全量かけ流し、加水・加温・循環・消毒すべてなし
主成分 カルシウム、硫酸、ナトリウム、マグネシウム等
pH 4.2
成分総量 1844.2mg/kg
知覚 無色透明で黄色沈殿物が析出し、微かに甘みを有し、
硫化水素臭を放ち、弱酸性である
泉質名 含硫黄-カルシウム-硫酸塩泉(硫化水素型)
低張性弱酸性温泉
(含S-Ca-SO4泉[H2S型)])
旧泉質名 石膏硫化水素泉

【駒の湯5号泉分析書】
源泉名 駒の湯4号・5号混合泉
湧出量 138.9L/分(自然湧出)
泉温 36.9度(現在はもう少し高いはずです) 
湯使い 完全全量かけ流し、加水・加温・循環・消毒すべてなし
主成分 硫酸、カルシウム、硫酸、ナトリウム、マグネシウム等
pH 4.4
成分総量 1760.4mg/kg
知覚 無色透明で黄色沈殿物が析出し、微かに甘みを有し、
硫化水素臭を放ち、弱酸性である
泉質 含硫黄-カルシウム-硫酸塩泉(硫化水素型)
低張性弱酸性温泉
旧泉質名 石膏硫化水素泉

【駒の湯温泉分析書(4・5号混合泉】
源泉名 駒の湯4号・5号混合泉
湧出量 138.9L/分(自然湧出)
泉温 36.4度(2016/8検温時に湯口で38.1度でした) 
湯使い 完全全量かけ流し、加水・加温・循環・消毒すべてなし
主成分 硫酸、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム等
pH 4.2
成分総量 1809.1mg/kg
知覚 無色透明で黄色沈殿物が析出し、微かに甘みを有し、
硫化水素臭を放ち、弱酸性である
泉質 含硫黄-カルシウム-硫酸塩泉(硫化水素型)
低張性弱酸性温泉
旧泉質名 石膏硫化水素泉

なお実際の浴感等につきましては、わたくしども内輪の者が記すよりも実際に湯に浸かった温泉ファンの方のレポートのほうが客観的ですし、はるかに参考になるかと存じます。ご許可をいただきましたので以下に転載いたします。

お湯は加温加水循環消毒一切なしの完全掛け流し。源泉のお湯をそのまま浴槽へ注いでいます。ただ源泉における湧出温度が低く、湯船においては36~38℃ であるため、熱いお風呂がお好きな方にはちょっと物足りないかもしれません。また上述のように常に換気しなければならないため、湯温はなおさら下がってし まいます。でもそんなぬる湯でも、じっくりと長湯をすれば不思議と体の芯までポカポカ温まり、実際に長湯した私は、湯上り後しばらく汗が止まりませんでした。ですから、このお風呂では是非時間を忘れてじっくりと浸かり続けることをお勧めします(ただし混雑時には適度な長湯でとどめておきましょう)。熱い風呂に短時間入るより、ぬるめのお湯に長い時間浸かった方が温浴効果が高まりますし、このくらいの温度の方が健康促進のためにははるかに良いのです。

お湯は無色透明ですが白い湯の花がチラホラと浮遊しています。湯面からはタマゴ臭と軟式テニスボール的ゴム臭を足して2で割ったような硫化水素臭がはっき りと漂っているほか、クレゾールを思わせるような刺激臭も混じって湯口から放たれていました。お湯を口に含むと明瞭なタマゴ味と石膏味、そして渋みを伴う 苦味がしっかりと感じられ、特に苦さに関しては口腔内の粘膜にしばらく残ります。湯中ではサラスベと石膏由来の引っ掛かり浴感が混在して肌に伝わり、鮮度感は抜群です。ぬるいお湯ですので体への負担を気にすることなくじっくりと浸かっていられますし、硫黄による血管拡張効果のため、長湯すれば40℃未満のお湯とは思えないほどのしっかりとした温まりを実感できます。文句なしの名湯復活です。

「温泉逍遙」さまのサイトより一部を転載しています。なお駒の湯のご紹介ページはこちらです。

営業日には毎朝お湯を抜いて清掃しています。ゆえに入浴にお越しになるお客さまがご覧いただくことはまずあり得ないのですが、実は駒の湯の湯は湯花が析出しやすい泉質です。下の画像を御覧下さい。冬期休業中の浴室画像です(なお、過去の画像ゆえ湯口の形状は現在とは異なります)。



豪雪地ゆえ2週間も湯小屋の管理作業に向かえない時があります。そうなるとご覧のとおり硫黄由来の湯の花が洗い場や浴槽内にびっしりとこびりついてしまうのです。



浴槽の縁もすごいことになってしまっていますが、ここからは地道にやるしかありません(笑)。いろいろな用具を使って掃除に励むこと数十分‥



はい、何とかこの日(冬期)の清掃も終了です。もっとも営業期間中は毎日湯を抜いて清掃しておりますので、このような湯の花を目にすることはないと思ってくださいませ。あるのは大量投入のややぬるめ透明湯とマイルドな硫化水素のにおいだけです。

それにしても、昨年(2015)から再び湯守として日々の仕事にいそしむことになったことは大きな喜びです。これからも「駒の湯」の灯を守っていきたい。お客さまに「いいお湯だったよ」とのお声掛けをいただくときの嬉しさを糧に、これからも頑張っていきます。よろしくお願い申し上げます。

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